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令和5年度からの残業60時間超えの割増率の引き上げについて その2
皆さんこんにちは。社労士の藤武です。
昨年12月16日付で残業60時間超えの割増率の引き上げについてお伝えしましたが、今回は来月に迫ってきており、もう少し突っ込んだ内容でお伝えいたします。
概要はぜひ12月16日のブログをご覧ください。
https://assist.or.jp/topics/2753/
具体的な割増率の引き上げについて
今回の割増率の引き上げは、時間外労働が月60時間を超えた場合に、それ以後の時間については割増率を50%以上の率で支給しなければならないという者です。
例えば、ある企業で通常の時間外労働の割増率を25%としているのであれば、月60時間を超えた時間については、50%以上(50%でも良い)としなければならないわけです。つまり、25%以上を引き上げるということになります。
時給換算で1,000円であれば、通常の残業は1,250円、60時間を超えた時間は1,500円以上の支払いが必要です。
一方、別のある企業で通常の時間外労働の割増率を30%としていた場合はどうなるかというと、月60時間を超えた時間について、同様に50%以上の支払いが必要です。
そうです。この場合は、引き上げ幅は20%以上となります。
今回の改正は、最終的な支給割合を50%以上にすることが求められますので、割増率を25%引き上げないといけないわけではありませんので、間違えないようにしましょう。
また、深夜帯である夜10時から翌朝5時までの労働について、月60時間を超える時間外労働となった場合は、60時間超割増率50%以上+深夜帯=75%以上の支払いが必要となりますので併せてご承知おきください。
時間外労働の上限規制との関係
今回の改正とは基本的に関係はありませんが、このテーマの月60時間を超える時間外労働は、当然に36協定の締結が大前提となります。
さらに、時間外労働は労働基準法によって月45時間までしか認められていません。
そんな中で、60時間を超える時間外労働をお伝えしているわけですが、そもそも60時間を超える時間外労働をさせるためには、特別条項付き36協定を締結し届出を行わなければなりません。
特別条項付き36協定の締結及び届出をしていない場合は、そもそも60時間を超える時間外労働をさせることが違法となってしまいますので、十分に注意をしてください。
就業規則の改定
就業規則は常時10人以上の労働者を使用している場合は、作成し届出が必要となります。
また、就業規則には賃金に関する記載が必須とされているため、今回の改正により60時間を超える時間外労働について割増賃金率の取扱いが異なりますので、就業規則の変更が必要です。
イメージとしては次のような規定に変更することが求められます。
第○条(割増賃金)
時間外労働にかかる割増賃金は、1ヵ月の時間外労働に応じ、次の割増賃金率により計算する。
(1)60時間以下・・・25%
(2)60時間超 ・・・50%
(3)60時間を超えた時間が深夜帯・・・75%
残すところあと1ヵ月、法律違反とならないようにご準備ください。
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