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社会保険料と簿記
皆さん、こんにちは。
東京オフィスの吉田です。
今回は、社会保険料と簿記について書いてみます(簿記に興味のない方、ごめんなさい!)。
私の周りには社会保険労務士試験に合格した後に簿記を勉強したという方が数人いますが、以前その中の1人がこんな疑問を投げかけてきました。
「簿記では社会保険料を従業員の給料から天引きするときの仕訳は学習するのに、天引きした社会保険料を納付するときの仕訳は学習しなくてよいのかな?」
確かに、少なくとも日本商工会議所が主催する日商簿記検定試験の出題範囲に社会保険料の納付はありません(参考程度に納付について触れている学習教材はありますが…)。受験簿記では、従業員の給料から社会保険料を天引きしたまま納付しないことを許しているのでは?と思われてしまうように感じました。
しかし、やっとこのような疑念が払拭されることになりました。来年の4月から正式に日商簿記検定試験の学習範囲に社会保険料の納付が追加されることになりました。受験簿記でもやっと社会保険料の扱いが所得税や法人税等と同等になったようです。
ちなみに、(1)社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)を従業員の給料から天引きしたときの仕訳と(2)天引きした社会保険料を納付したときの仕訳を例として示すと、次のようになります。
(1)給料¥200,000について、従業員負担分の社会保険料¥25,000を控除した残額¥175,000を普通預金口座から振り込んだ。
(借)給料 200,000 (貸)社会保険料預り金 25,000
普通預金 175,000
(2)社会保険料について、(1)の従業員負担額に会社負担額(従業員負担額と同額)を加えて普通預金口座から振り込んで納付した。
(借)社会保険料預り金 25,000 (貸)普通預金50,000
法定福利費 25,000
なお、労働保険料(雇用保険料のみ)の納付についても、簿記の出題範囲に追加されましたが、これについては少々複雑な内容なので、割愛します。もし、興味のある方は日本商工会議所が作成したサンプル問題(URL:https://www.kentei.ne.jp/24036)のP3にある5.の問題をご覧ください。