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労働基準法改正のポイント
こんにちは、社労士の高橋です。
今回は2026年施行予定で議論が進んでいる労働基準法の改正について解説します。
昨今、働き方の多様化が進み、企業の労務管理はこれまで以上に複雑になっています。
具体的には、テレワーク、副業、シフト制勤務、アプリを介した単発業務など、新しい働き方への対応が求められる中で、労働基準法の大幅な見直しが検討されています。
改正の検討ポイントと、企業が最低限確認しておきたい事項をまとめました。
改正で検討されている主な内容
1. 労働者の範囲の見直し
アプリを通じて単発の仕事を受ける個人でも、実態として企業の指揮命令下で働いている場合は労働者として扱う方向が議論されています。
形式的な契約より「実態」で判断される動きが強まっています。
◆確認しておきたいポイント
・業務委託契約の内容と実態が一致しているかチェックする
・就業形態ごとの役割や指示方法を明確にしておく
2. 労働時間と休息に関する見直し
連続勤務日数の上限設定(例:13日まで)、勤務間インターバル制度の義務化、長時間労働の上限規制の見直しなど、健康確保の観点から規制が強化される方向です。
◆確認しておきたいポイント
・シフト作成方法が新しいルールに対応できるか検討する
・勤怠記録が正確に残る仕組みになっているか確認する
3. 休日・休暇制度の明確化
法定休日を就業規則で明確に記載すること、有給休暇の賃金計算方法の統一、勤務時間外の連絡に応じない権利(つながらない権利)の議論など、休日・休暇に関する制度の透明化が進む見込みです。
◆確認しておきたいポイント
・就業規則に法定休日が明確に記載されているか確認する
・勤務時間外の連絡ルールが社内で曖昧になっていないか見直す
4. 副業・兼業に関する見直し
割増賃金を計算する際の「副業先との労働時間通算ルール」を適用しない方向での見直しが検討されています。
副業促進の流れを踏まえた制度改正の一環であり、計算方法が変わる可能性があります。
(※ 内容は検討段階であり確定ではありません。)
◆確認しておきたいポイント
・副業に関する届出・申告方法を明確にしておく
・副業に伴う情報管理や兼業禁止範囲など基本ルールを整理する
5. 特例措置の廃止
小売業や旅館業などで認められている「週44時間特例」の廃止が検討されています。
特例が廃止されると、週40時間超がすべて時間外労働となる可能性があります。
◆確認しておきたいポイント
・自社が特例対象かどうか改めて確認しておく
・特例廃止後の人件費やシフトへの影響を把握しておく
6. 労働条件の明示方法の見直し
労働条件通知書の電子交付、試用期間の位置付け、評価制度、雇い止めなど、契約内容の明示方法をより分かりやすくする方向で整理されています。
◆確認しておきたいポイント
・労働条件通知書の内容に曖昧な点がないかチェックする
・書面交付・電子交付いずれの方法でも説明ができる体制を整える
7. 労務管理のデジタル化
紙やExcel中心では対応が難しい場面が増えるため、勤怠管理やシフト管理のデジタル化が求められています。
◆確認しておきたいポイント
・勤怠管理がリアルタイムで把握できる仕組みか確認する
・労務データを一元管理できる体制を整える
まとめ
今回の労基法見直しは、現代の働き方に制度を合わせるための大きな変化です。
労働時間、休息、休日、副業、契約条件など、幅広いテーマでの見直しが進んでいます。
内容はまだ検討段階の部分も多いため、今後の正式発表を注視しながら、自社の制度や運用が新しいルールに適応できるかを少しずつ確認しておくことが大切です。
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