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年金改正法案②
皆さんこんにちは!名古屋オフィスの山下です。
前回お伝えしましたように、以下のとおり年金法が改正されます。
①社会保険の加入対象の拡大
②在職老齢年金の見直し
③遺族年金の見直し
④標準報酬月額の上限の段階的引き上げ
⑤その他の見直し(iDeCo加入年齢上限の引き上げなど)
今回は②についてご説明します。
一定の収入のある厚生年金受給権者が対象の在職老齢年金制度について、支給停止となる収入基準額を50万円(令和6年度価格)から62万円(令和6年度価格)に引き上げる見込みです。
【在職老齢年金制度とは】
厚生年金保険の被保険者(70歳以上の場合は、被保険者でない一定の要件を満たす者)が老齢厚生年を受給している場合に年金額を調整する仕組みのことを在職老齢年金といいます。
令和6年の支給停止となる収入基準額(支給停止調整額といいます。)は50万円です。これを令和8年4月から62万円に引き上げます。
賃金月45万円(ボーナスを含む年収の12分の1)
老齢厚生年金の受給額が月10万円 という例で比較します。
【現行】
賃金45万円+老齢厚生年金10万円=55万円
基準(50万円)を超えた5万円の半額の年金が支給停止となります。
したがって、老齢厚生年金は月あたり7万5,000円です。
【改正後】
賃金45万円+老齢厚生年金10万円=55万円
基準(62万円)を超えませんので、年金は減額されず、10万円が満額支給されます。
この改正により、年金を受給しながら働く高齢者が保険料の負担に応じた本来の年金を受給しやすくなり、年金の減額を意識せず、より多く働けるようになります。 このように、高齢者の働き控えを緩和することで、人手不足の解消にもつながることが期待されます。