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在職老齢年金制度って
こんにちは。大阪オフィスの伊藤です。弊社は本日仕事納めとなります。
皆様もどうぞ良いお年をお迎え下さいませ。
さて今回は、先日お客様より「年金が支給停止ってなってるけど、どうして?」とお問合せ頂きましたので、「在職老齢年金制度」の仕組みと今後の展望についてご紹介してみようと思います。
在職老齢年金制度とは、少子高齢化により現役世代の保険料負担が重くなる中で、
収入のある者は年金制度を支える側に回っていただこう、という制度です。
ざっくり言いますと、賃金(賞与の月平均額も含む)+年金月額>50万円となる場合に、
超えた額の1/2について、年金が支給停止される仕組みになっています(実際は色々と細かい取り決めがあります)。
この在職老齢年金制度があることで、年金受給者の働き控えにつながると考えられており、「50万円」という基準額の引上げや、制度そのものの撤廃が現在検討されています。
とはいえ、制度趣旨にあるように、この仕組みがなくなることで年金にかかる支出額が増え、現役世代の負担がさらに増えるというデメリットも出てきます。また、現役世代の収入と比較して、年金受給世代の収入がこれを上回ってしまうことも不平等感を招く恐れがあります。
などなど、そうは言っても少子高齢化が進む現在は、年金だけに頼らず自身の生活を支えていかなければならない状況です。現状にマッチしないこの制度は今後なくなっていく流れになるでしょう。
2025年は老齢厚生年金受給開始の年齢引上げについて、最後の世代の受給が開始します(民間女子は5年遅れ、2030年までかけて引上げ)。
年金制度の改正に注目していきたいところです。