ブログ
定額減税、残ってしまったら?
皆さま、こんにちは。
社会保険労務士法人アシストの西村です。
12月も半ばになり、今年もあとわずかになりました。
やり残すことがないよう、これから仕事納めまでの期間は
今まで以上に頑張らなければなりませんね。
さて、今回のブログでは「定額減税」について改めて触れたいと思います。
定額減税は、12月に支給される給与・賞与で終了します。
まず定額減税について簡単におさらいしましょう。
定額減税とは、「本人+扶養家族」の人数に3万円を掛けた額、
所得税が控除(減税)されるものです。
たとえば、扶養家族が1人いる場合は、
(2人×3万円)6万円が定額減税額となり、
所得税から減税されます。
定額減税の方法ですが、
6月に支給された給与・賞与(以降は「給与等」といいます)から、
それぞれ発生した源泉所得税額を毎月減税してきています。
これを、定額減税額に到達するまで繰り返す、という仕組みでした。
そのため、12月に支給される給与等までに、
すでに減税額が定額減税額に到達した場合は、
その時点で定額減税は終了となっています。
一方、12月の給与等が支給されても、まだ定額減税額が残っている方
もおられるかと思います。
たとえば、「定額減税額が6万円」の方が、6月~12月の7ヵ月間、
給与等で毎月5,000円ずつ減税されてきたとします
(その間に控除された源泉所得税額は0円だったとします。)。
その場合は、これまでに35,000円減税されてきていますが、
定額減税額が6万円ですから、
(60,000円―35,000円)25,000円減税されていない、
こととなりますね。
「チェッ、損した!」
と思わないでください。
そういう方のためもきちんと対策がとられています。
それが「年調減税」です。
給与所得者の方は「年末調整」を行いますね。
年末調整は、その年の1月~12月に支給された給与等・控除された
源泉所得税額等を合計し、各種申告書等をもとに年間の所得税額(年税額)を
再計算する仕組みです。
再計算の結果、源泉所得税が控除しすぎていれば還付、
不足があれば徴収されます。
前記の方は、1月~5月までは通常の計算で源泉所得税を控除されています。
そのため、年末調整により1年を通して年税額が計算され、
減税されきれていない定額減税額を含めて
還付額が計算されることとなります。
つまり、年末調整時に、毎月の定額減税で減税されなかった額も含めて
還付を受けることができるのです。
ただ、それでも定額減税額が残るケースがあります。
たとえば、ある方の定額減税額が60,000円、
1年間で控除された源泉所得税額が20,000円、
毎月の定額減税で減税された額が35,000円だったとします。
この場合、(60,000円―35,000円)25,000円が減税されていないこととなります。
そこで年末調整となるのですが、年末調整で還付されるのは控除された
源泉所得税額が上限となるため、最大でも20,000円しか還付されません。
その結果、定額減税額は5,000円残ることとなります(※)。
でも心配は無用です!
このような場合は、お住まいの自治体から「調整給付」として、
差額分の給付金が支給されることとなっています。
これについては、すでに夏から秋ごろに自治体から案内が届き、
給付が終わっていると思われます。
ただし、一定の場合にはすでに支給された給付金では足りない場合があるため、
その場合は後日改めて自治体から通知が届くようです。
「定額減税が残っており、給付金でも足りなかった」という方がおられましたら、
自治体からの連絡を待ちましょう。
※ちなみに、このように年末調整しても定額減税額が残っている方については、
源泉徴収票の「(摘要)」欄に「(控除外額 〇〇円)」とその額が
記載されることになっています。
いかがでしたでしょうか。
定額減税により、恩恵を受けた方は多かったのではないかと思います。
物価高騰でやりくりが大変ですが、こうした施策はどんどんやってほしいものですね。
今後も、皆さまのお役に立つコラムを掲載していきますので、お楽しみに!