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社内のIT化によるトラブルについて
皆さま、こんにちは!
社会保険労務士の吉田幸司です。
梅雨明けまでもう少しというところでしょうか。梅雨明けから猛暑が予想されていますので、職場やお家では、クーラーをつけっぱなしにして過ごす日が続きますので、体調管理には気を付けて行きましょう。
さて、新型コロナウイルスの影響もあり、多くの企業でITツールが導入され、リモートワークやWEB会議などに活用される事例が増えています。ただ、こういった便利な改革が進むのはいいことですが、良いことばかりではなく、社内でのトラブルも起きてしまっている現状があるようです。今回取り上げるのはその1例となります。
【勤務時間中、業務外のWebサイトでコンピュータウイルスに感染】
この場合、当該従業員に対する懲罰の度合いは、会社が日頃から私用でのインターネットの利用に対して厳しい制限を付けていたかどうかがポイントとなります。勤務時間中の私用での利用に対し、前もって警告していたならば、その結果として、大きな被害が生じた場合、企業はその従業員を懲戒処分とするだけではなく、損害賠償を請求することも可能となってきます。しかしながら、前もって「禁止措置」等を宣言していなかったとするならば、処分の是非について疑義が生じることになります。
【インターネットで会社や個人の悪口を流した】
この場合は、名誉毀損罪(刑法230条)または侮辱罪(刑法231条)が成立します。それが公益に関するものでなければ、名誉毀損罪(刑法230条の2)も成立します。民法709条による損害賠償の可能性もあります。就業中会社内で行ったとすれば、就業規則上の服務規律違反や労働契約上の忠実義務違反として、会社はその社員に対し懲戒処分を科すことができると思われます。しかし、たとえば、休日に自宅から自分のパソコンで同僚の個人的な悪口を、会社の人間であることを秘してどこかのホームページに書き込んだ場合、会社がその社員に懲戒処分を科すことは難しいと思います。個人として同僚の悪口を書き込んだだけでは、会社の名誉や信用を毀損したとは言えず、企業秩序を乱したこととはなり得ないと思われるためです。
上記で挙げた事例はごく一部ですが、会社側としては、問題が発生する前に、就業規則に服務規程としてしっかりしたルールを記載しておくなどの対策が必要です。トラブルが起こってしまってから記載するのでは対応が後手に回ってしまい、場合によっては、損害は社内だけではなく、取引先にも及ぶ可能性があり、当事者の責任を追及するだけでは済まなくなる可能性が大です。
上記のトラブルを防ぐためにはどのように就業規則に記載したらよいかなどその他にも私ども社会保険労務士法人アシストにご相談いただければ対応させていただきますので、ぜひご相談ください。