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休職制度は法律ではありません。会社のルールです。
こんにちは、大阪オフィスの伊藤です。
今回は表題そのままなのですが、
「休職制度」は法律で決まっているものではなく、会社で決めることができる任意のものであるというところから、これを就業規則などに落とし込む場合の注意点などをお伝えしていきます。
実はこのテーマ、2年前にも取り上げたことがあったのですが、最近お客様から複数件の問い合わせがありましたので、もう少し具体的にご紹介してみようと思います。
さっそく、いってみましょう。
①休職制度とは
「休職制度」とは、私傷病などにより労務の提供ができなくなった社員について、解雇を猶予する制度だと考えられています。労務提供ができなければ雇用契約上の義務の不履行になりますので、本来は契約解除となるところ、これを猶予する恩恵的取扱いのイメージです。
猶予期間満了後も復職ができない場合は、自然退職とする取扱いを就業規則上に定めることができます。
②休職制度のメリット
休職する労働者側のメリットはもとより、会社側にもメリットはあります。労務提供ができないので即時解雇、というのは(先述しておいてなんですが)実はなかなかハードルが高いところ、休職期間を経ての自然退職は比較的トラブルにはなりにくいという点、解雇ではなく自然退職とすることで助成金などへの影響が少ない点、自然退職であっても労働者は失業給付を給付制限なしで受給できる可能性が高く、本人も納得感が得られやすい点、など。
③定めておきたい事項
休職を認める労働者の範囲(勤続年数で取扱いを区別するなど)、復職してすぐに再度休職するなど、来ては休むを繰り返す場合の取扱い(期間通算規定)、復職の基準(こういう状態なら復職を認める、という定め)、
そのほか、会社が指示した医療機関でセカンドオピニオンを受けることや休職中の状況報告義務、社会保険料の振り込みについてなど、実務的なことも定めておくと、会社側で復職への道すじが付けやすくなります。「提出してきた医師の証明に納得がいかない」「連絡が取れず、どうなってるか分からないまま時が経っていく」などとなると、困ってしまいますよね。
…と、休職制度(規定)については、このような感じです。休職・復職に係る規定はなるべく具体的に、色々なケースを想定しておくのがポイントになってきます。
数年前と比べると労使ともに就業規則に関する意識が高まってきているように感じます。従業員さんに聞かれたときや、何かの時に焦ってしまわないように、ぜひ定期的に就業規則のメンテナンスも行ってくださいね。
それでは、また。