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あっせん制度を知っていますか?
みなさん、こんにちは。大阪オフィスの伊藤です。
さっそくですが、タイトルにある「あっせん制度」ご存じでしょうか?
ざっくりお伝えすると、
「裁判外(訴訟をせずに)」で、法的なトラブルを解決する方法のひとつで、労使トラブル等に労働問題の専門家が入り、両者の話し合いが進むよう手助けをし、紛争の解決を図る制度
…です。
今回は、都道府県労働局を経由してあっせんを行うケースについてみてみましょう。
あっせんは労働者が申請することがほとんどですが、もちろん使用者側から行うことも可能です。
いずれも、目標は「紛争の解決=和解」ですので、どちらの言い分が正しいとか、裁判のように勝った負けたではないというところがポイントになります。
各都道府県労働局には「紛争調整委員会」が設置され(弁護士や大学教授、社労士などが構成員)、あっせんの申請があれば、この中から指名された担当が、両者の話し合いをフォローしてくれます。
またこの制度は裁判と異なり「無料」。
さらに非公開ですので「××会社事件」のように公に出ることもありませんし、原則1回での終了ですから、早く紛争を終わらせたいのであれば非常に有用な制度です。
扱う内容は多岐にわたります。解雇や雇止め、不利益変更や職場環境に関するもの、変わったところでいうと物品破損による損害賠償なども対象になったりするんですね。
例えばこういった事由について労働者があっせんの申請を行ったりすると、ある日突然会社宛てにその文書が届くものですから、ビックリして問い合わせをしてこられるお客様もいらっしゃいます。
ただ、このあっせん、実は応じるか否かは自由なのです。
不参加の意思表示をしても、特段罰則があるわけでもなく、督促がくるわけでもありません。
もし、上記のとおり「なるべく早く」「安価で」解決を図りたいなら、応じられることをお勧めします(ちなみに、徹底的に白黒つけたいとか、とことんやりあう、なら裁判です…)。
解決はいわゆる「おカネで」。納得のいく金額でなければ、拒否することも可能です。
要は、専門家に間に入ってもらって、落としどころを決めていくわけですね。なお、あっせんで和解ができなければ、ほかの方法を選択してくことになります。
ということで、今回は簡単に、あっせん制度についてお伝えいたしました。
それでは、また!