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パートタイマーの雇用における留意点⑥ 「実務上の取り扱いその2」

みなさん、こんにちは!
社会保険労務士の山下です。

前回、パートタイマーの雇用について、「臨機応変に対応できる」と位置付け、労働条件条件を「週2~4日」や「働ける日に来てもらう」というように詳細を定めていないケースについての問題点を挙げました。

今回は、その問題点の1つ、年次有給休暇の付与日数と賃金について取り上げます。

 

まず、年次有給休暇の付与日数は、継続勤続年数により決定されます。

<通常の場合>

継続勤務年数 0.5 1.5 2.5 3.5 4.5 5.5 6.6以上
付与日数 10日 11日 12日 14日 16日 18日 20日

 

ただし、パートタイマーのように働く日数や時間数が少ないときには、上記の表よりも少ない年次有給休暇の付与日数となります。これを「比例付与」といいます。

<比例付与の場合>

1週間の所定労働日数 1年間の所定労働日数 継続勤務年数
0.5 1.5 2.5 3.5 4.5 5.5 6.5以上
付与

日数

4日 169~216日 7日 8日 9日 10日 12日 13日 15日
3日 121~168日 5日 6日 6日 8日 9日 10日 11日
2日 73~120日 3日 4日 4日 5日 6日 6日 7日
1日 48~72日 1日 2日 2日 2日 3日 3日 3日

 

比例付与となるためには、次の①②のいずれの要件も満たす必要があります。

①週所定労働日数4日以下(又は年216日以下)
②週所定労働時間30時間未満

さて、パートタイマーの働き方は個別の契約により様々です。

したがって、比例付与の対象となるかどうかは個別の労働条件を確認することとなりますが、労働条件が不明確だと、比例付与の対象となるのか、また、何日付与したらよいのか判断できません。

たとえば、所定労働日数が週5日の場合は、6ヵ月経過日に10日付与ですが、週4日で比例付与に該当する場合は7日、週3日の場合は5日というように、週所定労働日数によって付与日数が大きく変わってしまいますね。

また、年次有給休暇は、労働義務のある日(通常の出勤日)に取得するものです。

1週間に何日働くことになっているのか不明確なパートタイマーの場合、いつ取得すればよいのか、週に何日取得できるのか曖昧となってしまいます。

さらに、パートタイマーの働く時間がシフトにより日によって異なる場合に、年次有給休暇を取得したらいくら(何時間分)賃金を支払えばよいのかも判断が難しいものとなります。

年次有給休暇は労使ともに重要な制度です。曖昧なままだとトラブルになりかねません。

今、パートタイマーの労働条件があいまいだという方は、できるだけ明確に定めることを検討してみてくださいね。


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