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働き方改革シリーズ③-2「残業時間の上限規制」について
皆さん、こんにちは。
社会保険労務士の高橋です。
引き続き「働き方改革」法改正シリーズの3つ目のテーマ「残業時間の上限規制」について、前回は残業時間の上限規制に関する具多的な時間数や罰則の内容をお伝えしましたが、今回は残業削減のための取組みについて考えていきましょう。
◆残業がもたらすデメリット
1.生産性が低下する
長時間労働により従業員の集中力や認知機能などが低下し、仕事でミスが出たり時間のわりに仕事が進まないといった状況になります。
2.人材が定着しにくい
残業が多い企業というマイナスイメージにより、優秀な人材の採用が難しくなります。また既存の従業員が辞めていくというリスクも高くなります。
3.従業員の健康被害につながる
長時間労働による疲労の蓄積が心身へダメージを与えます。仕事が心身に及ぼす影響は思っているよりもはるかに大きなものです。
◆残業削減の取組み
1.残業は良くないことという意識付けを行う
遅くまで残業をすることが評価されたり、周りの目を気にして時間どおりに帰れない環境は良くありません。残業による弊害を社内で共有することが必要です。残業を減らしたことによる評価を人事制度に導入した事例もあります。
2.非効率的な業務や人員配置・業務分担を見直す
習慣化された業務のなかに、集約できる業務・しなくてもよい業務・非効率な業務が無いか見直すことが重要です。現状で行っている業務を洗い出し、それぞれどれくらいの時間がかかっているのか整理してみましょう。
3.業務マニュアルを作成する
同じ業務でも担当者によって仕事の完了までの時間に差がでていませんか。それは担当者によって仕事完了までのプロセスが異なっていることや無駄な手順が入っていることが考えられます。作業手順をマニュアル化することにより業務時間の短縮につながるとともに、担当者の配置換えがスムーズに行えるなどのメリットも生まれます。
4.経営者が率先して推進する
企業全体として残業を減らすためには企業のトップが率先して取り組まなければなりません。時間になれば消灯するなど、強制力も必要になってきます。
この他にも残業削減の取組みとしてはAIの活用やノー残業デーの制度導入など、さまざまなことが考えられますが、少なくても実際に効果が現れるまで、数カ月から年単位の時間がかかると思います。
効果が直ぐにでなくても取り組みを廃止することなく、試行錯誤しながら継続することが大切です。
今回ご紹介した取り組みを参考に自社にあった対策を練ってみてはいかがでしょうか。
社会保険労務士 高橋 尚文