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労働法解釈 解雇③

皆さんこんにちは。社会保険労務士法人アシストの藤武です。

前回は解雇権について確認をしました。

今回は「就業規則上の解雇事由記載の必要性」について確認します。

解雇事由は、通常は就業規則などにおいて列挙されることが一般です。

その解雇事由は解雇権の濫用にならない範囲で、客観的に合理的な理由が必要であり、労働基準法にも就業規則の絶対的必要記載事項として解雇の事由を明示させることを義務としています。

ただ実務的には、就業規則に解雇事由として列挙していない事由により解雇することはできないのかという点が問題になります。

ちなみに、解雇の中でもいわゆる懲罰的な意味合いを持ち、その労働者が悪い行いをしたために解雇を行う、いわゆる懲戒解雇の場合は、懲戒解雇事由を

定めておかなければ有効とされないとしています。企業ごとでしてはならないことを具体的に列挙し、その懲罰は明示していて初めて有効であるという考え方であり、理にかなっています。

それが一般的な解雇ではどのように解されるかというと、就業規則に具体的に解雇事由がなくとも「解雇に客観的に合理的」があれば、解雇は可能であるとしています。就業規則上も通常ほとんどの場合は、解雇事由の最終規定に「その他各号に掲げる事由に準ずる重大な事由」などとの記載を行っています。つまりこれら就業規則での解雇事由の明示は例示的な列挙といえます。

逆に、それだけに何度も記載している「解雇に客観的に合理的」があるかどうかが裁判などでも争点となります。

まとめると、通常の解雇では就業規則に明示していない解雇事由でも解雇をすることは可能であるが、裁判などに持ち込まれた場合には、解雇に客観的に合理的な理由があるかが問われるということを念頭に、恣意的な解雇にならないかを意識すべきということになります。

次回は「解雇の客観的に合理的な理由」についてあらためて確認してまいりましょう。

藤武


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