日常
人狼ゲーム
社会保険労務士法人アシストの藤武です。
皆さんは人狼ゲームというものをご存知でしょうか?
先日、東京の社労士で組織する会「東京たまごの会」での勉強会で、人狼ゲームを紹介し実際に皆さんにゲームを体験してもらいました。
非常に盛り上がり、楽しんでいただいたと思っています。
さて、その人狼ゲームとはなんだ?という方のために少しだけ解説します。
ある村に人に成りすました魔物“人狼”が紛れ込んだという設定でゲームが始まります。
人狼は普段は恐ろしい本性を隠していますが、夜になると罪のない村人をひとりずつ喰い殺し、やがて村を滅ぼしてしまいます。
村人は人狼を倒すべく立ち上がり、会議を重ねて疑わしい者を処刑していきます。
プレイヤーは村人チームと人狼チームに分かれ、
人狼全員を処刑できれば村人の勝ち
処刑されず、村人を喰い殺していけば人狼の勝ち
と、こういうゲームです。
諸説あるようですが、1986年にロシアでうまれたゲームがその起源といわれています。
この解説を初めて読んだ皆さんはどのような感想をもつのでしょうか?
「嘘つきを探せ」というサブタイトルが付いていたりもして、人を欺いて嘘をつくゲームで、処刑や喰い殺すなどの言葉が出てきますので、なんだか野蛮な悪いイメージを持つ方もいると思います。
しかしこのゲームは、実に奥の深い、戦略性に富んだ知性あふれるゲームです。
このゲームでは、チームが勝つために戦略を練り、チームで力を合わせていきます。
人の言葉を聞き、その言葉の真意を読み、論理的な考察を重ねていき、チームの勝ちを目指します。
私はこのゲームが好きで、数年前からゲームを楽しんでいます。
私は、このゲームは人との付き合いの縮図であると感じています。
私自身このゲームからは、仕事・生活・生き方すべてに共通する非常に多くのことを感じることができました。
ゲームでは、毎日一人を会議の上で処刑し、毎夜人狼に村人が喰い殺されます。
初心者のころは、自分が処刑されたり、喰い殺されることを避けるために行動をします。私もそうでした。
ただ、このゲームの本当の面白さを知るのは、自分がチームのために尽くすことが大切だと気づいたときだと思っています。
ゲームでは、村を滅ぼす人狼が悪役としてクローズアップされますが、実はそうではないのです。
村人からみた人狼は悪ですが、それは村人の目線からであり、人狼は人狼が勝ち残ることが正義であり、人狼目線では村人が悪であるわけです。
人はどちらの目線で見るかによって、正義にも悪にもなりえる。
これは我々の生活や仕事の面でもまったく同じなのではないでしょうか。
我々はすべからず、自分が正義である立場で行動し、ときには闘います。
たとえば我々社会保険労務士という立場では、労働者と使用者という当事者に向き合います。
もし労使の紛争となったとき、さて、どちらが正義でどちらが悪でしょうか?
裁判などの場でも原告・被告それぞれの立場があります。ここでも立つ目線で正義にも悪にもなりえます。
その自分の立場・「チーム」のために闘い、尽くす。これはどこにでもあり得ることで、この人狼ゲームではそれを疑似体験できるわけです。
このゲームの本質は自分のチームの勝利のためにどれだけ行動できるか。
チームの勝利のためには積極的に発言し、自分の考えを人に伝える力が必要です。
いくら村人であったとしても、村の勝利のために尽くさない者は必要ない。そんな考えに至ります。
人と接するコミュニケーション能力、人を説得するための論理的な思考と説得力。
そういったものがこのゲームでは養われ、さらに人の行動を観察し、発言をしっかりと考え読み解く力が身に付いていきます。
人狼ゲームはそんな素晴らしいゲームであるため、私はこれをコミュニケーションゲームとして位置づけ、研修の場で使用したりしています。
ぜひ皆さんも機会があったら体験してみてください。
人狼ゲーム、はまりますよ笑