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会社主催のお花見でケガしたら!?
皆さま、こんにちは!
社会保険労務士法人アシストの西村です。
桜の花もきれいに咲き誇り、春の到来を感じますね。
このまま過ごしやすい季節が長く続いてほしいものです。
さて、この季節となると、「お花見」に行かれる方も
多いと思います。
ご家族やご友人など、親しい方と行くと気分は上がりますよね!
あるいは、職場の気の知れた仲間と行く人も多いのではないかと
思います。
ところで、会社が、親睦行事の一環として、お花見を主催することも
あるのではないでしょうか。
きれいな桜の花の下で、おいしい食事や飲み物を楽しんで、
従業員にリフレッシュしてもらうというのは、
とてもいい取組みだと思います。
会社主催のお花見をはじめ、親睦会などを開催する会社は
たくさんあります。
それはとてもよいことなのですが、まったく問題が無い
わけではありません。
特に問題となるのは、
「参加の強制の是非」、
「参加した際のお給料」、
それに「参加中に事故があった場合に労災が適用されるか」
ということがあります。
今回の本記事では、これらについてご説明します。
【参加を強制できるか】
勤務時間『外』に開催する親睦会等へ、
従業員の参加を強制することは違法となりますので、
することはできません。
休日を含め勤務時間外は、従業員が自由に過ごすことが
できる時間なので、当然と言えますね。
なお、「自由参加」であったとしても、参加しないことにより
人事評価が下げられたり、上司から叱責を受けるような
「不利益な取扱い」がされる場合は、
実質的に「参加を強制」しているとみなされる場合がありますので、
注意が必要です。
一方、勤務時間『内』に行われる行事については、
会社に業務命令権がありますので、
よほどの事情がない限り、参加を強制することは可能です。
それでも、コミュニケーションをとるのが苦手な従業員には
ある程度配慮する必要はありますし、
お酒を飲めない人に飲むのを勧めるような行為は
慎まなければなりません。
【給料は発生するか】
勤務時間『外』に行われる行事が強制参加であれば、
それは「労働」の一環とみなされますので、その時間分相当のお給料は発生します。
もちろん終業後であれば残業代、休日であれば休日出勤手当となりますね。
一方、自由参加の行事の場合は、もちろん給料は発生しません。
【事故が発生した場合は】
たとえば会社主催のお花見中に従業員が転倒してケガをした場合、
労災が適用されるのでしょうか?
これについては、その行事について、
「業務遂行性」と「業務起因性」があるか否かによって
判断されることとなります。
「業務遂行性」とは、簡単に言うと
「お仕事中か?」ということです。
「お花見が仕事なわけないだろ!」と怒られそうですが、
先ほども書いたように、強制参加であればその時間は労働とみなされますので、
たとえお花見の最中であったとしても
「労働➡業務遂行性あり」と認められることとなります。
「業務起因性」とは、簡単に言うと
「仕事が原因でケガをしたか」ということです。
こちらについても、お花見が強制参加であれば労働と認められるので、
原則として「業務起因性あり」と認められることとなります。
「業務遂行性」と「業務起因性」の両方があると認められれば、
お花見などの行事の最中の事故でのケガも
原則として「労災」と認められます。
一方、自主参加の行事の途中での事故によるケガは、
基本的には「業務遂行性」も「業務起因性」もありませんので、
原則として労災と認められることはありません。
(ただし、労災の認定は最終的には労働基準監督署の判断になります。)
参考になりましたでしょうか。
ご不明な点がありましたら、ぜひ私ども社会保険労務士にご相談くださいね。