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令和4年度の育児休業関連の改正について⑦
皆さんこんにちは。
東京オフィスの吉田です。
シリーズでお届けしている「令和4年度の育児休業関連の改正」について、今回も引き続き解説します。
令和4年度に改正される概要は下記のとおりです。
【令和4年4月1日施行】
①雇用環境整備、個別の周知・意向確認の措置の義務化
②有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和
【令和4年10月1日施行】
③産後パパ育休(出生時育児休業)の創設
④育児休業の分割取得
⑤育児休業取得状況の公表の義務化(従業員数1,000人超企業が対象)
今回は③産後パパ育休(出生時育児休業)の創設に伴い可能となった「休業中の就業」について解説します。
「令和4年度の育児休業関連の改正について⑤」で当社の山下が解説しましたとおり、令和4年10月1日からいわゆる産後パパ育休の取得が可能となりますが、産後パパ育休中については、労使協定(育児・介護休業等に関する労使協定)を締結するこにより、就業することが可能となります。
産後パパ育休中の就業についてのポイントは次のとおりです。
(1)具体的な手続きの流れ
産後パパ育休中の就業についての具体的な手続きの流れは、次の①→④のとおりです。
①労働者⇒以下の条件を事業主に申し出る
・就業可能日
・就業可能な時間帯(所定労働時間内のみ)
・その他の労働条件(テレワークの可否など)
②事業主⇒①で労働者が申し出た条件の範囲内で候補日・時間を提示する(候補日等がない場合はその旨)
③労働者⇒②で事業主が提示した条件に同意する
④事業主⇒労働者に以下の事項を通知する
・③における労働者の同意を得た旨
・就業させることとした日時
・その他の労働条件
(2)就業可能日等の上限
産後パパ育休中の就業可能日等には以下のような上限があります。
①休業期間中の所定労働日・所定労働時間の半分
②休業開始・終了予定日を就業日とする場合は当該日の所定労働時間数未満
たとえば、所定労働時間が1日8時間、1週間の所定労働日が5日の労働者が、産後パパ育休を2週間取得した場合(休業期間中の所定労働日10日・休業期間中の所定労働時間80時間の場合)は、以下の範囲内で就業が可能となります。
・就業日数5日以内、就業時間40時間以内(上記①による)
・休業開始・終了予定日の就業は8時間未満(上記②による)
(3)休業中の就業が可能となる育児休業
いわゆる育児・介護休業法に基づく育児休業の取得中に就業が認められるのは「産後パパ育休」のみです。産後パパ育休の後に取得できる育児休業については、原則としてその休業中に就業することは認められていません(ただし、一時的・臨時的な場合にのみ就業が認められます)。これは令和4年10月1日前も同日以後も同じ取扱いです。
【育児休業中の就業の可否】
産後パパ育休中→〇(令和4年10月1日~)
通常の育児休業中→原則✕
労使協定の締結など産後パパ育休中の就業を認める場合の手続きについてご相談がありましたら、ぜひ当社にお問い合わせください。