業務ブログ
自転車配達員とITエンジニアの労災保険について【9月改正】
皆さん、こんにちは。
社会保険労務士の高橋です。
今回は、テーマに記載しているとおり、自転車配達員とITエンジニアの労災保険について説明します。
日々の自粛や規制が続く中、フードデリバリーを利用する方も多いのではないかと思います。
このフードデリバーリーですが、従業員としてお店に雇われて配達をしている人は、万が一配達中に事項にあったとしても労災保険の適用を受けることができるのですが、○○イーツのように業務委託で配達を行っている人は労災保険の適用がありませんでした。
このような格差を埋めるべく本年9月1日に法律の改正が行われ、上記のようなフリーランス(個人の業務委託)の自転車配達員やITエンジニアの方々も労災保険の適用を受けることができるようになりました。
これを労災保険の「特別加入」といいます。
ここで労災保険の特別加入のポイントをいくつか紹介します。
1.保険料は自分で負担する必要があります。
通常の労災保険の保険料は会社が全額負担しますが、特別加入の場合は加入者が自分で保険料を負担しなければなりません。保険料は決められた範囲の中から自分で選択することになります。保険料が高ければ休業補償等の金額も高くなるという仕組みです。
2.加入手続きを行う必要があります。
会社の従業員であれば雇用されたと同時に労災保険に自動的に加入することになりますが、特別加入の場合は、自分で特別加入団体を通じて加入手続きを行わなければなりません。
特別加入団体に関する情報は労働基準監督署等にお問合せください。
3.補償の内容・範囲は通常の労災保険と同じです。
特別加入は、通常の労災保険と比べて上記のような違いがありますが、補償の範囲の内容は通常の労災保険と同じです。例えば、仕事中や通勤中のケガ、病気であれば無料で治療を受けることができます。
また、休業が長引くときや、後遺症が残ってしまったときも給付金が受け取れます。
<労働者災害補償保険法施行規則等の一部を改正する省令案の概要>
https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/000794152.pdf
上記は、厚生労働省から公表されている資料です。
個人事業主の自転車配達員やITエンジニアの皆様、加入を検討されてはいかがでしょうか。
社会保険労務士 高橋 尚文