業務ブログ
新卒者の労務
皆さんおはようございます。社会保険労務士の藤武です。
このところ、新卒者に関連する相談が多くなっています。
コロナの渦中であるということも多少は関係あるかもしれませんが、新卒者の労務という点で少し気になる点がありましたので、ブログにアップしておきたいと思います。
新卒者の採用は、トレンドや会社のステータスのために行うべきではありません。
たしかに、新卒者を採用することを会社の目標とされている経営者はいらっしゃると思います。会社が一定の安定した経営ができ、真っ白な学生卒業者を一から会社の人材にしたいという気持ちもわかります。
社会のことを何も知らない新卒者を育てるということは、とても大きな責任を負い、覚悟を持って持たなければなりません。
新卒者を一人前の社会人にし、仕事の厳しさと喜びを伝えていく役割は並大抵の忍耐ではありません。
新卒者への労働条件変更(解雇や契約社員への変更など)に対してご両親が異議を唱えるということもよくあるケースです。手塩に育てた我が子が期待を胸に社会に出て、いきなり厳しい仕打ちを受ければそうしてしまう気持ちもわかります。
もちろん中には即戦力に近い新卒者もいるかもしれません。
ただ、それはたまたま素質がある人材に当たっただけであり、大部分は右も左もわからず空気の読めないはずです。
ほぼ両親の目の見える範囲で行動し、学校という狭いコミュニティで育ってきた学生が、即戦力になると考える方が間違いであることを理解しなければなりません。
このところの相談というのは「新卒で雇用した方だけど、会社の形がちょっと厳しくなったので契約社員と言う形にして、近い将来契約終了にしようと思っている。」
「新卒で雇用した人だけど、あまりに出来が悪いので、解雇しようと思っている。」
などというものです。
厳しい言い方かもしれませんが、このような言葉が出てくる会社は、新卒者を雇用するには時期尚早と言わざるを得ません。
真に強く、懐の広く深い会社となって新卒採用をご検討いただくことを願って止みません。
藤武雅之