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雇用調整助成金
みなさん、こんにちは。
社会保険労務士の山下です。
この度の新型コロナウィルス感染症により多大な影響を受けていらっしゃる企業様も多いと存じます。心よりお見舞い申し上げます。
4/8当社藤武のブログと、4/16高橋のブログで「雇用調整助成金」についてお知らせしていますが、今回はこの雇用調整助成金の要件等について、もう少し詳しくご紹介します。
雇用調整助成金は今回新しくできたものではなく、これまでも存在していた助成金です。
要件としては、売上や生産量が3ヵ月平均して前年比10%以上低下した場合に、事前に休業計画を提出し、計画の範囲内で休業を実施し、その休業に対して休業手当を支払うこと。この要件を満たした場合に申請をして助成金が支給されます。
今回、新型コロナウィルス感染症に対する特例措置として、緊急対応期間中(4/1~6/30)は要件が緩和されて申請のハードルが大きく下がっています。
<緊急対応期間中の要件>
①新型コロナウィルス感染症の影響により、売上高又は生産量などの事業活動を示す指標が前年同月比5%以上減少していること(1ヵ月で比較)
②雇用を維持するために「雇用調整(休業)」を実施していること
※部門や職種ごとに行われる短時間休業も対象となります。
③休業手当(平均賃金の60%以上)を支払っていること
上記①~③を満たしている場合に、雇用調整助成金が支給されます。
なお、本来は事前に計画書を提出しなければなりませんでしたが、令和2年1月24日以降の休業については、休業を行った後の提出(事後提出)が認められます。したがって、すでに休業をしているという場合でも、雇用調整助成金を受給できる可能性がありますよ。
さらに、緊急対応期間中の休業については、受給額等も拡大されています。
★助成率が大幅アップ
中小企業の場合、本来は67%ですが、80%(解雇等を行っていない場合は90%)に引き上げられます。
★対象者の拡大
本来は6ヵ月以上雇用している雇用保険の被保険者のみを対象としていますが、入社してすぐの方も対象となります。また、雇用保険の被保険者でない方(週20時間未満のパートタイマーなど)についても、緊急雇用安定助成金という助成金において支給対象となります。
★支給限度日数の拡大
受け取ることができる支給限度日数は1年間で100日分、3年間で150日分ですが、緊急対応期間中に実施した休業はこの限度日数とは別に支給を受けることができます。
★残業相殺の停止
出勤日に残業させた場合は、その分を助成金の計算から控除するという「残業相殺」について、1月24日以降の休業では適用されません。
アシストでは、雇用調整助成金の説明動画を配信しています。
文章では伝わりにくいことを分かりやすく解説していますので、ぜひご視聴ください。
第1回 雇用調整助成金を理解する(7分34秒)
第2回 休業手当-助成金額シュミュレーション(7分40秒)
第3回 新型コロナ雇用調整助成金の重要条件(5分14秒)
第4回 休業した場合の給与計算(6分)
4/22現在、新型コロナウィルス感染症拡大を阻止するべく緊急事態宣言が発令されて2週間が経過しました。苦しいときではありますが、ぜひ雇用調整助成金を活用して、大切な従業員の雇用を守っていただければと思います。