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パートタイマーの雇用における留意点⑤ 「実務上の取り扱いその1」
みなさん、こんにちは!
社会保険労務士の山下です。
これまでこのシリーズでは、パートタイマーの雇用に関する法律(労働基準法、パートタイム労働法、労災保険法、雇用保険法、健康保険法、厚生年金保険法)の適用についてご説明しました。
法律上の適用をご理解いただいたところで、今回からは実務上の取り扱いについて触れていきます。
パートタイマー雇用の実務上、注意していただきたいのは雇用契約の内容の定め方です。
いわゆる正社員よりも短い働き方であるパートタイマーの場合、労働時間や休憩・休日について、たとえば「月・水・金曜日、9:00~16:00(昼休憩1時間)」のように、それぞれの事情に応じて個別に定めます。
ただし、事業主も労働者本人も「臨機応変に対応できる気軽な雇用」と位置付け、労働条件条件を「週2~4日」や「働ける日に来てもらう」というように詳細を定めていないケースもよく見かけます。
このような「詳細を定めずに臨機応変に」という形態は、事業主にとっては忙しいときにだけ来てもらえばよいため、助かりますし、労働者本人にとっても自分の都合に応じて働けるため、有難いと感じる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、労働基準法においては所定労働時間、休日は必ず明示しなければならない「絶対的明示事項」です。
パートタイマーという雇用であっても、曖昧ではなく、きちんと定めたうえで明示しなければなりません。
また、これ以外にも労務管理のうえで問題になることが非常多く、注意が必要です。
特に注意すべきなのは
☆年次有給休暇の付与日数と賃金
☆社会保険の加入
です。
これらについて、次回以降順番に注意点をご説明していきたいと思います。